みなさん『ナシ』と聞くと何をイメージしますか?
秋の味覚・ジューシーなどなどさまざまなイメージが出てくるのではないでしょうか?
今回はナシはナシでも『日本ナシ』に書いていきたいと思います!
日本ナシとは
日本では『日本ナシ』『西洋ナシ』『中国ナシ』の3種類が出回っています。国内生産量は日本ナシが圧倒的で、皮が黄緑色のものを『青ナシ』、褐色のものを『赤ナシ』と呼んでいます。
日本ナシは日本特有の果物で海外での生産はまだ少ないが、アメリカ・中国・韓国・ニュージーランド・ブラジルなどで生産されています。日本ナシは品質が良いため、加工に使われることは少なく、ほぼ全量が生果用途なってます。
二十世紀(ナシの種類名)については昭和30年代に鳥取県で加工研究が行われ、缶詰、グラッセ(糖果、砂糖漬)、濃縮透明ジュース、ネクターなどが開発されました。
近年、各地の村おこし・町おこしにむけた地域特産の開発推進、インターネットの急速な普及によるホームページでの特産品紹介、そして果実と加工品の開発が要望されるようになってきました。
1996(平成8)年には鳥取県の東伯町で『梨ドリーム博’96』が開催され、ナシの加工法があらためて注目されるようになりました。
最近では二十世紀だけでなく、幸水・豊水・長十郎・新高などを利用したワイン・ジャム・ジュース・アイスクリーム・ケーキ・漬物などが、各地で作られ販売されています。
加工品は品種によって、果肉の硬度・糖度・酸度が異なるが、最近の主要品種では加工特性に大きな差はないと考えられています。濃縮エキス(飴)のように果汁を煮詰める場合には、酸度が味に影響を与えることがあるが、特に糖度が高いものが必要なわけではないようです。
加工向けには、規格外の果実や台風での落下果実が使われることが多く、栽培や収穫での留意点は生果向けと特に変わった点はありません。果実量は年により、気象災害や病虫害の発生によりかなり変動すると考えられます。
品種について
【二十世紀】
9月上旬に収穫される青ナシで、果形は円形、大きさは300g程度です。無袋栽培ではさび病の発生がみられるが、有袋では外観が非常にキレイである。果肉は軟らかく緻密。
【幸水】
収穫期は関東地方では8月中旬~9月上旬で、色は中間色で、大きさは300g程度である。果肉は甘味が多く、緻密で軟らかく多汁。
【豊水】
収穫期は関東地方では8月下旬~9月下旬で、赤ナシである。大きさは300~400g、果肉は緻密で軟らかく、多汁で甘味が多く、やや酸味もあります。適度な酸味はジュース用にはよいが、濃縮エキスやあめのように煮詰めた場合には酸味が強くなりすぎることがある。
【新高】
豊水以降に収穫される赤ナシで、大きさは大果で、果肉は幸水ほどではないが軟らかく、暖地で栽培すると甘味も多い。
【あかづき】
関東では9月下旬に成熟し、豊水と新高の間に収穫される赤ナシである。大きさは500g前後で、肉質は緻密で軟らかく、糖度は12~13%、酸味は強くない。
日本ナシと健康
『日本ナシ』に主な成分をみていきましょう!
エネルギー | 43 【kcal】 |
水分 | 88.0 【g】 |
タンパク質 | 0.3 【g】 |
脂質 | 0.1 【g】 |
炭水化物 | 11.3 【g】 |
カリウム | 140 【mg】 |
亜鉛 | 0.1 【mg】 |
ビタミンC | 3 【mg】 |
銅 | 0.06 【mg】 |
食物繊維総量 | 0.9 【g】 |
- ※日本なし / 生・可食部100gあたり
- ※日本食品標準成分表2019による
栄養成分の特徴
日本ナシは食物繊維が多く、100g中に水溶性食物繊維0.2g、不溶性食物繊維0.7g、合わせて0.9g含まれています。また、果物の中でもソルビトールが0.8gと多いのが特徴です。
機能性成分
日本ナシには食物繊維とソルビトールが比較的多く含まれているので、おなかの調子を整える効果が期待できます。また、ナトリウムに比べカリウムの割合が多いので、血圧を下げる効果にも期待できます。
漢方では、潤肺(じゅんぱい)・清心(せいしん)・熱性の咳止め・痰を消す効果があるとされています。果汁を砂糖で煮詰めたナシエキス(飴)は、のどの痛みによく効くといわれていますが、その有効成分についてはいまのところ、明らかにはなってません。
日本ナシの見分け方
日本ナシを選ぶポイントは
- 果皮に色ムラがない
- 傷がついていないもの
- 横に大きく、重心が低いもの(ずっしり)
- お尻の中心の花の跡がキュッと締まっているもの
〇果梗から水や水分を吸収。花托が子房を包んで果肉に成長します。お尻の部分に雄しべと雌しべの残りがあります。
食べ頃
〇赤ナシは、表面のざらつきがなめらかになってきたら!
〇青ナシは、黄色みをおびてきたら!
保存法
〇ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室へ!水分が減ると味が落ちるため、乾燥させないように。
〇日本ナシは追熟しないため、早めに食べきりましょう!
最後に~日本ナシとは~
日本のナシ!
二十世紀を親として、多くの品種が誕生しました。子どもだけでなく孫もたくさん生まれています。
江戸時代から栽培が普及し、今に至るまで多くの物語があったでしょう。
ナシだけでなく全ての果物に言えることですが、今、私たちの目の前にある果物も多くの歴史があります。
先人の努力と後見人のひたむきな努力で、今の今まで大切にされてきました。
その全てに『ありがとう』の気持ちを持ちたいものですね。
ちょうどこの記事を書いた時期から多くのナシが店頭で並ぶようになってます。
ぜひ、手にとって食べてくださいね!
今回は『日本ナシ』についてでした!
最後までご覧いただきありがとうございました!