すっぱさで現代社会と戦う!?『ウメ』について

 

皆様『ウメ』と聞いて何をイメージしますか?

大部分の方が『すっぱい!』ということをイメージするのではないでしょうか?

 

昔から馴染みがある方も多い『ウメ』について今回はみていきましょう!!

 

ウメとは

 

 ウメは植物分類上、バラ科サクラ属のスモモ亜属に属し、スモモ・アンズと近縁となってます。中国西南・華中・雲南・台湾などに原生分布し、栽培分布では北は黄河の南部から南は南海島にまで達します。

 

 6世紀頃の『斉民要術』(530~550年頃)によれば、ウメを加工したものに烏梅・白梅・蔵梅があります。

 『烏梅』はウメの実の核ができ始める頃に摘み取り、かごに盛ってかまどの上で燻して乾燥し作ります。これは薬用であって、漢方薬として日本にも伝えられています。

 『白梅』は『熟した梅の実を塩水に十昼夜、十侵、十曝すればできあがる』と書かれており、調味料にしたり食用にしたりと用途が多く、わが国の梅干に相当します。

 『蔵梅』は、二昼夜塩漬けしてから塩汁を取り除いて蜜の中に漬け、1か月ほどしたら蜜を取り替えて作ります。砂糖漬けのようなもので、縁起のよいものとされ、今でも中国では祝いの膳に出されるところもあります。

 

 中国から日本への渡来経路は、中国大陸から直接渡来したものと、朝鮮半島を経由して渡来した2つの経路があるといわれています。

 弥生時代には日本に渡来してきたとされる万葉集『759年』で「花」といえば梅の花を指していたことから、奈良時代にはすでに花木・観賞樹として栽培されていたといわれます。

 実ウメの記述は『延喜式』(927年)にはなく、室町時代の『尺素往来』(1489年)に菓子の種類として記されています。

梅干しが言い伝えに出てきた最も古いものとして、平安時代の中頃に、村上天皇が梅干しと昆布茶によって病を治したというものがあります。

やがて梅干しは薬用・食用・調味料として用途が広がり、鎌倉時代から室町時代には全国的にウメの栽培が普及し、梅酢は重要な酸味調味料となり、調味や梅酢漬けなどにも広く使われるようになりました。梅干しをシソで赤く着色する手法も鎌倉時代からだといわれています。

 

 戦国時代になると、梅干しは戦場で消毒や貧血の際の気付け薬(気を失いそうな人に気合を入れるときに嗅がせる)に、食中毒や流行病の予防にと、兵士にはとってはならないものとなりました。

また、解毒はもとより、整腸・食欲増進にと、野戦の食生活では貴重な存在でした。

そこで、全国の各武将はこぞって城下にウメの植樹を推奨しました。小田原・水戸・紀州田辺などは、ウメの名産地として今もその名を残しています

 

江戸時代になると、甘露梅(塩で下漬けしたウメの果肉を取り、シソの葉で包み砂糖に漬けたもの)や、梅酒も作られるようになりました。

 

 ウメは用途により花ウメと実ウメに分類され、実ウメは果実を利用するので、果実の形態によって分類されることが多いです。実ウメは果実の大きさと形状、アンズとスモモの雑種性によって、小梅品種群・中梅品種群・大梅品種群・杏梅品種群・李梅品種群に分類されます。

おおむね、小粒はカリカリ梅を主とする梅漬けに、中粒種は梅干しに、大粒種は、梅酒やシロップ漬けに向きます。

また、青梅出荷に向く品種と、漬け梅に向く品種、兼用種に分けられます。

青梅出荷用には、果形が整い、果皮の緑色が鮮やかで、鮮度保持に優れる品種が適しており、漬け梅用には、果肉が厚くなめらかで繊維質が少ないものが適しています。

 

 

 

ウメと健康

 

『ウメ』の主な成分をみていきましょう!

 

エネルギー 28    【kcal】
水分 90.4 【g】
タンパク質 0.7   【g】
脂質 0.5   【g】
炭水化物 7.9   【g】
ビタミンA※1 240  【μg】
ビタミンE※2 3.3   【mg】
ビタミンB1 0.03 【mg】
パントテン酸 0.35 【mg】
食物繊維総量 2.5   【g】
  • ※生・可食部100gあたり
  • ※1 β-カロテン当量
  • ※2 α-トコフェロール
  • ※日本食品標準成分表2019による

 

栄養成分の特徴

 

 果肉の水分は90%で、炭水化物が8%と大部分を占めます。炭水化物では、有機酸が5~6%も含まれています。

糖分は少なく、0.8~1.6%で、カリウムが100g当たり240mg含まれるが、ビタミンは微量です。

 酸組成は、幼果ではリンゴ酸が主体であるが、成熟するにつれてクエン酸が圧倒的に多くなります。その他の酸には、シュウ酸・コハク酸・フマール酸などが含まれます。

 糖組成では、ショ糖・ブドウ糖・果糖の他にソルビトールが含まれますが、この構成比も熟期により異なり、完熟となるにつれてショ糖が増加します。遊離アミノ酸では、アスパラギンが圧倒的に多く、アスパラギン酸・アラニンなども、比較的多く認められ、他の核果類と同様の傾向を示すします。

このようにウメの主要成分はクエン酸・リンゴ酸を主体とする有機酸であり、これらの酸味により『すっぱい味』が特徴的になってます

 

 

 

ウメのあれやこれ

 

主成分がクエン酸のため、エネルギー代謝を高めて疲労回復効果がある。

 

〇クエン酸には整腸作用・新陳代謝促進効果があるため、皮膚のハリツヤ維持、さらには老化防止にも期待できます。

 

〇昔は、泥水を飲んだときの病気の予防薬としても役立ちました。

 

殺菌作用が強く、腐敗防止や食中毒予防に役立つ(お弁当に梅干しは理にかなってます)

 

〇青梅には毒性があるため、生食は避けましょう。

 

〇梅干しにはビタミンCの含有はありません。酸っぱいからと言って、梅干しでビタミンC摂取は間違った考えです。

※日本食品標準成分表2019による

 

 

 

最後に~ウメとは~

 

ウメと聞いただけで唾液が出てきますね。あのすっぱさ!

ただ、そのすっぱさこそが、ウメの魅力であり、ウメの力ですね。

『梅はその日の難のがれ』と言われるほど、病気の予防や健康増進には欠かせません。

現在社会との戦いに、まずは『1日1個』を目標に皆様の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

今回の記事を通して、ウメも魅力にに興味を持って頂けたら嬉しいです!

 

最後までご覧いただきありがとうございました!

 

梅の花

 

梅 うめ
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