香りで健康に!『ユズ』について

 

皆さんは『ユズ』と聞いてどんなイメージをしますか?

あの良い香りは多くの人を魅了しているのではないでしょうか。

今回は『ユズ』について見ていきましょう。

 

ユズについて

 

 ユズは中国原産で揚子江上流、雲南などに分布し、中国と日本でよく知られた香酸カンキツの一種である。日本では柚または柚子の字をあてますが、中国では香橙といいます。

 ユズはカンキツ類の中では病害虫に強く、耐寒性もカラタチに次いで強いので、粗放性に耐え、中国の南西域、北方中央域に多く分布してます。主として、食酢として利用しているが、日本ほど重宝していなようです。

 

 原産地では、野生しているといわれるのがほとんど原生林は知られず、クルミ・カキ・ザクロなどの生育している地域の庭先に放任栽培されています。

 ユズは、日本には北京方面から朝鮮半島を経て、少なくとも唐代以前の古くに伝来しました。イズ・イノス・ユノスなどの異名があり、他の香酸カンキツと区別するためにホンユともいわれています。

 ユズの独特の香りと酸味は鮮魚料理とよくマッチし、スダチやカボスなどとともに香酸カンキツの一つとして、魚の消費と関係しています。また、ユズの香りやさわやかな酸味は、菓子やジャムなどの特産品づくりにこれまで大きな貢献をなしたが、独特の香りの利用は未知の可能性を秘めています。

 生果は吸い物の香りづけや刺身などへ生酢としてふりかけ使うことがあるが、大半は搾汁機で搾汁され、果汁と果皮に分けて利用される。加工品としては、ジャム・ポン酢・ゆず味噌・ゼリー・入浴剤などがあり、多様に商品化されています。

 

 現在果実の収穫は、緑果どりは別として、10月中旬~11月下旬ごろの7~8分着色期に一括どりで行われています。それが出荷用、加工用、貯蔵用に振り分けられ、貯蔵用では貯蔵用では貯蔵病害をできるだけ少なくし、長期貯蔵を実現させ商品性を低下させないよう細心の注意が必要であります。

ユズの用途は生果としてより、食酢としてのジュース利用の比重が高くなってます。また、果皮のさいの目切りは和風料理の付香食品として珍重されます。

 

 果実は130g内外あり、成熟果は鮮やかな黄色です。果面は強いしわがあり、果皮も厚い。果肉部は10室に分かれ、成熟果では果汁が少ない。内部に大きな種子を7~8個有しています。それらの重量割合は果皮45%、果肉44%(果汁は26%)、種子11%程度である。種子は白色で小胚性である。種子の食品用途はなく、実生をミカンの根接ぎ台木に使う場合があります。

 

品種について

 

ユズの育種は自然の突然変異で誘発した無核性、早生性、大果性、豊産性などを選抜目標にして、系統選抜で行われてきました。ユズの優良系統として、①外観が美しく、120gくらいの大果で、香り高く、果皮の厚い果実が望ましい。また、種子が少なく、果汁の多い果物が、加工用途に適している。さらに、②樹にとげが小さく少ないもので、花着きのよい樹勢の品種が栽培上望ましい。

 

山根系ユズ

徳島県阿南市で選抜された早生種で、やや酸味の少ない大果(120g程度)の系統

 

海野系ユズ

徳島県上那賀町(現 那賀町)で選抜された普通種。このほか普通種で豊産性の優良系統として、徳島県では、古野系、木頭6号、7号、殿川系、走川系、東地系、要系、平2号などが選抜されてる。

 

川上柚

山口県阿武郡川上村(現 荻市)で産地化された無核の系統。果実は80~100gあり、やや小玉である。柚菓子などの加工に適している。

 

多田錦

徳島県名西郡神山町で育成された無核のユズ。無核柚に稀に出る種子の実生から選抜された。果実は100~120gの大形で11月に糖度8%、酸度3.5%程度の多汁である。果実の貯蔵性がよく、加工にも適している。

 

永野系・山下系・公文系・根木屋系・清遠系・渡辺系

高知県農業技術センター果樹試験場などが県内の優良系統とし選抜したユズ品種である。

 

栽培法について

 

 ユズには12月下旬の完熟を待たずして、未着色の緑果を収穫する栽培法と、7~8分着色の黄果を収穫する栽培法があります。前者を青玉生産、後者を黄玉生産といいます。収穫果は出荷用、貯蔵用、加工用に仕分けして選果されます。

 黄玉生産での出荷用には、外観が美しく、傷がなく、120g程度の大玉果が収穫されています。青玉は黄玉に比べると消費量は少ない。しかし、青玉に対する手堅いニーズがあります。

 

開花期は5月下旬で、幼果はその後肥大し、11月下旬に完全着色し、初冬から早春に完熟します。

 

 現在、日本のユズ出荷量の7割強を占めている高知県と徳島県には、樹齢15~35年生の壮年期にあたる樹齢の揃った園地が多くみられる。

 加工用には、果皮に芳香成分が多く、多汁で、濃厚な内容物を持ち、種子の少ない果実が用いられています。果皮が薄く、浮き皮果で、日当たりの悪い内成り果や120g以上の大玉果や80g以下の小玉果は貯蔵性が少ないので、貯蔵用果実から除去されている。なお、貯蔵用果実の生産は、温暖で雨の多い九州地方より、雨の少ない中国・四国地方のほうが有利です。また、日照量が豊富で、深い根系をもつ園地の多い関東地方では、一般に果皮が厚くなり、果実の内容も多い傾向にあり、貯蔵に耐える果実の内容も多い傾向があり、貯蔵に耐える果実の栽培に適しています。

 

収穫方法について

 ユズは果皮の光沢で品質が判定され、光沢の良いものは販売取引が有利になるので、完熟前に収穫されています。すなわち果皮光沢の強い10月中下旬の7~8分着色期に採取されます。果実の大きさは100g内外が標準で、80g以下の果実は果皮のしなびが早く、ヘタ枯れが多く、また120g以上の果実では水腐症や油胞黒変症の発生が多い、などの理由から規格外として早期消費にまわされています。

 

柚 ゆず

 

ユズと健康

 

ユズの成分について見ていきましょう。

 

エネルギー 21     【kcal】
水分 92  【g】
タンパク質 0.5    【g】
脂質 0.1    【g】
炭水化物 7.0  【g】
カリウム 210   【mg】
カルシウム 20     【mg】
ビタミンE 0.2     【mg】
ビタミンC 40  【mg】
食物繊維総量 0.4    【g】
  • ※生・可食部100gあたり
  • ※日本食品標準成分表2018による

 

 

栄養成分の特徴

 

 ビタミンCは果皮に多く150mg/100g程度あり、果肉には38mg/100gほどある。アミノ酸は100g中にグルタミン9mg、プロリン10mg、アスパラギン7mg、アラリン、バリンなどであり、食品として甘味を深くしています。

 ユズの特性で最も特徴のある香りについては、主成分として、d-リモネン(50~70%で最高の含有)、αーピネン、ミルセン、βーピネンが知られています。

 その他シトラール、リナロール、αーテルペノール、p-シネン、n-ヘチシルアルコール、n-ノニールアルデヒド、チモール、リナルアルデヒドなどが検出されています。また特香成分としてユズノンが知られています。これらの成分の大部分は果皮のフラベドにある油胞内にあって、芳香は口から混合臭として発揮されます。香り成分の多くは150℃程度の低沸点のエステル、アルコール類であることから、貯蔵・加工・調理時の温度や時間などに十分な配慮し、香気成分の発揮をできるだけ抑制する必要があります。

 

機能性について

 

【クエン酸】

 ユズ果実の酸味は90%以上がクエン酸であるため、アミノ酸などと相まって、心地よい味を実現しています。クエン酸は疲労回復に効果を発揮します。特に激しい運動後に摂取すると、血中の乳酸濃度の早期低下に役立ちます。

 

【ビタミンC】

 ユズ果皮に特に多いビタミンCは、果皮の張りのある間は減少が少ないので、特に鮮度をよくする必要があります。成人は1日に必要とされる100mgが、ユズ果皮の1個分の料理で充足できます。ビタミンCには人間のタンパク質コラーゲンの形成や無機鉄の吸収、コレステロール、ホルモン代謝、免疫機能の増強などの生理作用が知られています。

 

【香気成分】

 ユズの香り成分であるリモネンやリナロールなどは人間の精神を癒す効能があり、古くからゆず湯に利用されています。

 

【βーカロテン】

 β‐カロテンはビタミンAの前駆物質である。この含有も果皮に多く、皮膚の乾燥、肌荒れ防止に役立ち、抗酸化作用、免疫機能の強化などの効果に期待できます。

 

【ペクチン】

 ペクチンは水に溶ける食物繊維で、ユズ果皮に多い。食物の消化を助け、健全な栄養吸収に役立っています。マーマレードなどに利用されます。

 

 

ユズの見分け方

 

ユズを選ぶポイントは

  1. 実にハリがあり、皮がごつごつしている
  2. 色ムラが良い
  3. 良い香りがするもの

補足

〇ブヨブヨしているものは避ける

〇ユズの木にはトゲがあり、強風等で傷つく場合があるが、傷がついていても、味や香り的には遜色なく使えます。

〇ヘタの部分を確認して、茶色くなっていないかを確認する。

 

 

保存法

 

〇気温が高い時期は乾燥に注意すること。ラップで包んで野菜庫にて保存

〇冬場は室温でも1週間ほどであれば保存可能。

 

【 さらに詳しく 】

販売期間を長くするために、貯蔵が行われている。果皮が美しく、光沢がある果実ほど高値で取引されるため、鮮度をいかに長期間保つかが不可欠となる。ユズの果皮はデリケートで傷がつきやすく、傷が原因で各種の貯蔵病害を誘発するので、果実の運搬時や、入庫時の箱詰めなどで丁寧に取り扱われている。

貯蔵には、常温貯蔵庫を用いて12~1月に出荷する短期貯蔵法と、低温貯蔵庫を用いて、2~4月に出荷する長期貯蔵法がある。収穫した貯蔵用果実は、風通しの良いところに並べ、2~3週間の乾燥予措を行う。長期貯蔵の場合には、5~6%程度の目減りを目処に乾燥予措あるいは高温予措が行われ、10℃下に数日間おいた後に、3~5℃に冷蔵されている。庫内は乾燥しやすく、また過湿になりやすいなど湿度変化が大きいので、庫内湿度を80~85%程度に維持するように心がける。

 

最後に~ユズとは~

 

ユズ湯は『冬至に入ると一年中風邪をひかない』といわれるほど、昔から多くの人々に愛されてきました。

ユズのパワーを存分に受けて、健康の日々を送りましょう!

 

最後までご覧いただきありがとうございました!!

 

柚

 

柚 ユズ
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