「オレンジ」と聞くと皆様は何を想像しますか?
甘くてジューシーやちょっと苦いイメージを思い浮かびますね。私はSMAPの「オレンジ」という曲も思い浮かびました。青春時代にその曲と出会って失恋を謳歌したなー。私の涙腺を刺激しました。この曲はまさにオレンジをイメージしているのではないかなと個人的に思います。
今回は「オレンジ」についての魅力をお伝えしたいと思います。
オレンジの歴史
オレンジが誕生したのは、様々な説がありますが最近の研究では中国南西部の雲南省と、その周辺のインド、ビルマ、中国南部であると言われれいます。
オレンジの旺盛な成長力と栽培知識の進歩のおかげで、オレンジの種子や果樹は鳥や動物、あるいは人間の手で海路や陸路を通じて広がりました。
日本には明治時代にアメリカから栽培法が伝わりました。
オレンジには
- スイートオレンジ(生食やジュースの原料に向く甘いオレンジ)
- サワーオレンジ(マーマレードとするか精油を抽出する酸味の強いオレンジ)
- マンダリンオレンジ(日本の温州ミカンの近縁種)
等があり、中には「ミルクのように甘い」と称されるオレンジもあるようです。
スイートオレンジは柑橘系の王様と言われています。今でもマンダリンオレンジの人気が高いアジアは例外として、広範囲で栽培され、利用されている柑橘類は他にはありません。スイートオレンジは世界で2番目で広く栽培されている果物です。(1番はバナナ)
スイートオレンジの代表は「バレンシアオレンジ」です。現在はアメリカのフロリダとカリフォルニアが一大産地なっており、日本にも多く輸入されています。
また、ブラジルなどの熱帯地域では、オレンジは緑色や緑がかった黄色のまま熟すことがあります。これは天然の日焼け止めの役割をして、果皮や葉緑体を保護するからです。温暖な地域では、気温が下がるにつれて緑色の果皮はオレンジ色になります。
オレンジジュースの歴史
オレンジの食べ方で最もポピュラーな食し方はやはり「ジュース」ではないでしょうか?コンビニでも手軽に購入することができますね。
初期のオレンジジュース
17世紀に西インド諸島産の砂糖の価格が下がったために、パリでレモネード(レモン果実に砂糖やハチミツで甘味をつけ、冷水で割ったもの)を飲む習慣が広がったことがきっかけでオレンジにも応用したのが初期とされてます。レモンと比べるとあまり人気が出なかったそうです。
加工ジュース産業
オレンジジュースで本格的なビジネスとして成功させたのは、カリフォルニアが最初です。
供給過剰に困った生産者が果樹を切り倒しはじめると、サンキスト(1893年設立のアメリカが合衆国の柑橘類生産者販売協同組合※wikipediaより)が「オレンジを飲もう」のキャッチフレーズを打ち出しました。
オレンジジュースの栄養面の評価が高まり、そして品質保持期限を長くする高温短時間殺菌法の確立。また、鉄道やトラックによる効率的な輸送により拡大することに成功しました。ジュースの製造過程で出たオレンジの搾りかすは牛の飼料として利用されました。
加工ジュースの巨大市場は20世紀前半のフロリダです。このとき初めて。果汁から果肉を取り除き、濃縮し、最初は缶詰で、その後は冷凍で、豊富な果実を濃縮冷凍オレンジジュースとして一年中販売する方法を取り入れました。この事業は高い利益を上げ、のちに第2次世界大戦が始まると、兵士にビタミンCを供給する必要性から一層発展していきました。
果汁成分が70~80%を占め、特別な前処理を行わなくても、約50%の果汁が搾取できることから、オレンジをジュースにするのは理にかなっているのかもしれませんね。
余談ですが、ペクチンと酸を多く含むため、ゼリー化が容易なためマーマレードやジャムの原料にも適してます。
オレンジとファッション
オレンジとファッション?と思うかもしれませんが、オレンジもおしゃれなんですよ!!
オレンジの花
オレンジの花の香りは非常に魅力的です。そのことからヨーロッパでは、結婚式のブーケや髪飾りに習慣も流行したそうです。
オレンジの花は貴重でもあります。水蒸気蒸留法(原料になる植物の入った「蒸留釜に水蒸気を送り込むことによって、植物中の精油を気化させる方法)を用いると、オレンジの花からかすかな柑橘系の香りとフレッシュな花の香りが混ざったうっとりするような香りの精油が抽出される。
柑橘系の精油は花やつぼみはもちろん、果皮や葉、若枝からも取り出せます。ビターオレンジ、ビタースイートオレンジ、スイートオレンジのどれを用いるかによって、香りの性質と基調が微妙に異なります。
オレンジの果皮
南太平洋諸島の人々はつぶしたオレンジとふやかした葉を石鹸代わりに使用したそうです。
いやーオレンジって捨てるところがほとんどありませんね!!!
オレンジと健康
オレンジには主にこんな効能があります。
- 活性酸素の除去
- 風邪の予防や疲労回復
- 美容効果
ビタミンCや食物繊維が多く、美肌や便秘の予防改善に役立ちます。
ビタミンCは体内でコラーゲン生成を促すため、女性には嬉しい果物のひとつですね。クエン酸も多いので、疲労回復にも期待できます。
香り成分であるリモネンにはリラックス効果があるとされています。
エネルギー | 46 【kcal】 |
水分 | 86.8【g】 |
タンパク質 | 0.9 【g】 |
脂質 | 0.1 【g】 |
炭水化物 | 11.8【g】 |
カリウム | 180 【mg】 |
ビタミンA | 130 【μg】 |
ビタミンC | 60 【mg】 |
食物繊維総量 | 1.0 【g】 |
亜鉛 | 0.1 【g】 |
- ※ネーブル・砂じょう・生・可食部100gあたり
- ※日本食品標準成分表2018による
- ※ビタミンAはβーカロテン当量
オレンジの果汁成分としては、糖類10%、有機酸1%を含む。糖はショ糖が最も多く6%、次いでブドウ糖、果糖を2%ずつ含んでいます。有機酸は、そのほとんどがクエン酸が占めています。
柑橘類の果皮、じょうのう膜(果実を包んでる袋)、白い筋にはポリフェノールが含まれており、高血圧や動脈硬化の予防にも期待できます。
オレンジの選定
オレンジは
- 果皮にツヤがあり滑らか
- 油胞(皮のつぶ)が小さいもの
- 同じ大きさであれば重いもの
を選ぶのがいいですね!!!
果実全体から良い香りが漂っていたら熟している証拠なので、早めに食べましょう。熟した状態で店頭に並んでいることがほとんどなので、購入したら早めに食べるのがいいと思います。
保存に関しては、高温・湿気大敵です。直射日光の当たらない風通しの良い冷暗所に保管しましょう。食べきれないときはビニール袋にいれて冷蔵庫の野菜室に入れてあげましょう。
最後に~オレンジとは~
オレンジの果樹は美しいと言われています。つややかな緑の葉、輝く果実そして人々を魅了する白い星型の花の香り・・・
オレンジの木は100年ほど生き、数百個の実をつけます。生育には温暖な気候と豊かな水を必要とし、霜を嫌う。
なんとなく芸術を感じさせますね。
「オレンジは、果汁は酸っぱいが、見た目が美しいので、どんな使い方をするよりも眺めて楽しむのがよい」という人が居たぐらいです。
日本ではほとんど栽培されてないため、遠い海を渡って私たちの手元に届きます。「いただきます」の言葉には「お疲れ様でした」という感謝の気持ちをもって食しましょう。
最後まで観ていただきありがとうございます。