イチゴといえば、とちおとめ(栃木県)・あまおう(福岡県)など全国各県でさまざまな品種やブランドが存在しています。
今回ご紹介するのは、春に旬を迎える新潟県が誇るイチゴ『越後姫』です。
特徴としては
〇 糖度11~12%(梨・スイカ・桃と同等の糖度)
〇 酸度0.5%前後(酸味が少なく、甘味がより感じられる)
〇 果肉の質は滑らかで果汁が豊富
〇 心を奪う豊かな香りを持つ
とても魅力的で一度食べたら忘れられない越後姫。
しかし、その裏ではイチゴを作る農家さんの多くの苦労や努力があります。
越後姫が皆様のお口に届くまでを、当マスコットキャラクターの”しゅん平くん”が農家さんへ聞き込み調査してきましたので、是非最後までご覧いただければと思います!
新潟県産ブランド『越後姫』とは
越後姫誕生の歴史 ~6年もの歳月をかけて~
- 『病気に強く作りやすい』
- 『果肉が柔らかく』
という特徴を持っています
【 越後姫誕生までのざっくり概要 】①露地用品種「ベルルージュ」と「女峰」を交配②この中の選抜系統と「とよのか」を交配③更に選抜した優良系統を『越後姫』と命名
越後姫に栽培について
越後姫の栽培について詳しく見ていきたいと思います!
栽培形態について
果物作りは土、水、太陽が大切といわれています
その中でも土は生産者の力量が一番試されるところです。生産者はそれぞれ独自のノウハウをもっています。
では、なぜ土がそんなに大切なのでしょう?
それは、人間が食物から必要なエネルギーを補うように、植物は土から栄養を吸収するから。 そのため、たっぷりとした土は欠かすことはできません。
土耕栽培について
『土耕栽培』とは、昔から作ってきた本来の苺の作り方です。
土耕栽培(新潟県江南区) 諸橋弥次郎農園
土耕栽培の特徴は以下の通りです。
〇 味がしっかりと濃いイチゴが育つ(土づくりをしっかりと行えるため)
〇 腰をかがめながらの作業
〇作業負担等により、収穫量も限られる
高設栽培について
『高設栽培(水耕栽培)』とは、必要な栄養や水をプランターに入れて栽培する方法です。
高設栽培
高設栽培の特徴は以下の通りです。
〇 必要な栄養や水で効率良く美味しいイチゴを作れる
〇光合成を効率よく行える
〇収穫がラク(土耕栽培に比べて)
〇 物理的に土の量が少ない
伝統的な栽培方法を重んじる農家さんは『土耕栽培』、新規就農者は『高設栽培』を取り入れる傾向があります。
どちらもとても美味しい苺が育てられますので、好みに応じて食べ比べするのもとても面白いです。
年間スケジュール
6月下旬から7月の作業
収穫の時期が終了したら、まずは、すべての株を枯らせます。
一度植えたら何年か収穫できるイメージがありますが、毎年苗の植えかえを実施します。
株を枯らせる → 整地 → 消毒 → 藁・鶏糞・米糠等の肥料を混ぜて土づくり…
6月の下旬から7月にかけて株を枯らせる作業を実施し、その後に来年に向けて生長の基盤となる土づくりを実施します。
【 豆知識 】イチゴのハウスでは二毛作(イチゴ以外の農作物を栽培)は出来ません。イチゴのために建てられたハウスはずっと”姫のお城”として大切に管理・維持されます
イチゴの健康効果
・ビタミンC
・ペクチン
・カリウム
・キシリトール
約7粒で1日のビタミンCを摂取
イチゴは言わずと知れたビタミンCの宝庫です
ビタミンCはコラーゲンの生成を促してシワを、メラニンの生成を抑えてシミをそれぞれ予防する働きがあり、美容効果は絶大です!
ジャムに加工するとビタミンCは激減します(熱に弱いため)
しかし、腸内の善玉菌を増やすペクチンはほとんどそのまま残ります
ペクチンは食物繊維のことで、風邪予防に効果的です。
カリウムもしっかりと含んでおり、生活習慣病や高血圧予防・むくみ解消効果が期待できます。
また、虫歯予防に役立つ『キシリトール』や『フラボノイド』などの抗酸化物質も多く含まれています!
さらには、葉酸(ようさん)も多く含んでおり、妊婦さんやお腹の赤ちゃんにの成長にも、とても役に立つフルーツと言えます!
YouTubeで『葉酸』ついて発信
越後姫の選び方
・ ヘタの近くまで赤いもの
・ ヘタが緑色で乾いていないもの
・ 鮮やかな赤色でハリ・ツヤ100点のもの
・断面の繊維束(白い筋)がハッキリとしているもの
越後姫の保存方法
直射日光をさけて、風通しの良い涼しい場所に保管が基本です!
『農家直伝』越後姫の美味しい食べ方
越後姫は加工してもヨシ、練乳につけて食べるもヨシ!ですが…
やっぱりそのまま食べる!が一番だとおっしゃっています。
素材そのものを味わうことで、越後姫の良さをしっかりと体感することができます。
ヘタを取ってから洗うと、そこから流水と一緒にビタミンCも流れてしまいます。
せっかくの栄養素です、余すことなくいただきましょう!
【 豆知識 】
〇のなかのブツブツを”タネ”だと思っていませんか??
ここの部分、実は『イチゴの果実』なのです。じつはそうなのです。
食べている赤い部分は花托(かたく)と言って花のつけ根がふくらんで食用に発達したものです
イチゴを食べる=花を食べている!!
と言ったら、過言でしょうか…。
左:花托 右:果実
農家さんが『大切にしている想い』
越後姫が『高価』なワケ…
土に苗を植えて果実を収穫する…。 説明するととてもシンプルですが、実際は多くの作業と労力がかかります。
収穫量も限られてきたりと、体力面・精神面・経済面とたくさんの困難に立ち向かって、皆様にイチゴをお届けしています。
また、他の品種と異なり、非常に柔らかいという特徴を持っています。
食感は抜群に最高品質ですが、あまり日持ちがしません。
あまり日持ちがしないということは、広く流通する術が限られるということになります。
それらにプラスして、新潟県特有の『自然との闘い』もあります。
今年2021年は新潟市内も近年稀にみる豪雪により、生育が遅れました(悪天候による日照不足、大雪が積もりハウスに入る日光の遮断された等)
生育が遅れると、当然収穫できるシーズンも縮まります。
また膨大な量のイチゴを実らせるためには、ミツバチに働いてもらわなければなりません。
人間と同じで、『寒いとなかなか動きません』
しかし
人間と違って、『言うことは聞いてくれません』
温度を上げるため暖房機を設置している農家さんもいらっしゃるほどです。当然、光熱費も跳ね上がります。
それも全て『新潟の特産ブランドを守る』『越後姫を一人でも多くの方にお届けしたい』この想いで試行錯誤しています。
最後に【雪国だから生まれた『えちごのいちご』】
雪国新潟が誇る『越後姫』
新潟だからできること。新潟にしかできないこと。
可憐でみずみずしい新潟生まれのお姫さま。越後姫が旬を迎える頃、新潟には『春の陽気』が訪れます。
この記事に出会ったのも何かのご縁です。人生で1度は食べてみることをおススメいたします!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!!