皆さん『銀杏』と聞くと何をイメージしますか?
独特の香りがあることを想像するのではないでしょうか?
またイチョウの葉がキレイというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんね!
今回は『銀杏』について見ていきましょう。
銀杏について
イチョウ=銀杏は1属1種(イチョウ科イチョウ属)で、この科だけでイチョウ目とされます。
代表的な『生きた化石』とも知られ、中国原産とされています。
日本には、中国から朝鮮半島を経て仏教とともに伝来されたといわれ、神社や寺の境内に巨樹が多く見られます。
銀杏は雌雄異株で、雌花は長い花柄(果脇)の先につく緑色の2個の裸の胚珠からなります。
雄花は、らせん状につく多数の雄しべからなり、花糸の先端には2個の葯胞があります。
銀杏そのものはかなり古い時代(1692~1814年頃)に日本や中国から多くの国の植物園などに導入されており、植物学の面から研究報告は数多く見られます。しかし、殻果(銀杏果実)の利用例は中国以外ではこれといって見られません。
中国での利用方法も日本と同様で、中国料理などの素材(具)としての位置づけが大部分で、加工原料としての利用は発展途上と考えられます。
銀杏の樹木は健強で、耐寒性があり全国的に分布し、栽培もされていますが、現在栽培による生産量が多いのは大分・愛知・福岡の各県となってます。
銀杏(種子)の利用は季節感や旬を楽しむものとして土瓶蒸し、茶わん蒸しや煮物などに利用されるのが良く知られています。中国料理では多くの料理に利用され、需要も多くなってます。また、酒などのつまみとして炒り銀杏、塩ゆで、串刺しなどもあります。
そのほか銀杏の風味や栄養価の高さを生かし、銀杏粉を用いた麺類、銀杏の醤油煮、銀杏入りのもち、銀杏アイスクリームなど産地の特産品としての商品開発も盛んです。調理用に水煮した缶詰なども販売されている。
銀杏と健康
『銀杏』に主な成分をみていきましょう!
エネルギー | 171 【kcal】 |
水分 | 57.4 【g】 |
タンパク質 | 4.7 【g】 |
脂質 | 1.6 【g】 |
炭水化物 | 34.8 【g】 |
カリウム | 710 【mg】 |
ビタミンA※1 | 290 【μg】 |
ビタミンB6 | 0.07 【mg】 |
パントテン酸 | 1.27 【mg】 |
食物繊維総量 | 1.6 【g】 |
- ※生・可食部100gあたり
- ※1 β-カロテン当量
- ※日本食品標準成分表2019による
栄養成分の特徴
銀杏は『イチョウ』とも『ギンナン』とも読むことができます。(実際に変換してみてください)一般的には『イチョウ』は植物名を、『ギンナン』は種子をさします。さらに種子に見える部分を園芸学上『殻果』といいます。
食用となるのはこの種子の殻(内種皮)を取り除いた殻果内の、澱粉を多量に含んだ胚乳部です。
ギンナンの多食による食中毒は古くから知られており、それらの症状が近年ビタミンB6欠乏症に似た症状を起こすものと考えられるので、1回に多食(特に小児)することは避けましょう。
栄養について
各種ナッツ類と比較しても栄養的には優れた素材で、カロテンなどはグリンピースに匹敵するほどの含量です。銀杏は焼いたり煮たりして食べるときの独特の風味、食感が好まれるためか、食材として種々の料理になどに利用されているが、それを原材料とした加工は発展途上と考えられています。
機能性について
【葉の利用(葉エキス成分)】
銀杏は種子を利用するほか、現在では葉の成分の有効性が確認されています。銀杏の葉エキスは、もともと日本で採取されたイチョウの葉をドイツに輸出し、製薬会社(シューワベ社)で成分を抽出したものです。
銀杏の葉エキスには、特有のギンコライドからアントシアニンまで種々のフラボノイドが含まれていることが知られています。それらの働きによる脳や末梢の血流促進効果及び活性酸素消去作用が期待され、ドイツ、フランスなどの欧州諸国では脳血管障害改善医薬品として医療機関で利用され、効果が確認されています。
日本やアメリカではイチョウの葉エキスは医薬品ではなく、健康補助食品として市販されています。製品としては、イチョウの葉エキスの加工品としてイチョウの葉エキス、ハイギンコ40、ギンコービロバ30、イチョウジュ。GBE-24、銀杏の朝などがあります。
〇銀杏の葉の簡便利用法
銀杏の葉の効果を上手に取り入れる方法としては
①イチョウの青葉をそのまま煎じて飲む
青葉10gを600ccの水に入れて15~30分煮詰めて、その液を飲む
②乾燥葉を刻んで煎じる
1日5~6gをお茶の代わりに飲む
③乾燥葉を粉末にして飲む
1日1~2gを目安に飲む
その他に葉には防虫作用などもあるとされ、本などに挟み、紙魚(シミ)防止に古くから利用されています。
【銀杏(種子)の健康成分】
現在のところ、種子(胚乳)の栄養価の成分表はあるが、機能性成分としての評価は銀杏の葉エキスのように明らかにはなっていません。
ただ、葉に含まれている成分や、古くから滋養・強壮に用いられたり、咳止めや痰切り、夜尿症などに薬効があるとされていること、カロテンやビタミンEなど抗酸化作用成分が含まれていることなどから考えると、他の食材との組み合わせによっては健康保持食材として十分期待できるものとされています。
最後に~銀杏とは~
銀杏も殻果ということで果物の分類なんですね!
銀杏(イチョウ)といえば秋の風物詩ですよね。銀杏拾いを秋のレジャー計画としているかたもいらっしゃると思います。
その際はぜひ、『銀杏は果物』というトリビアを家族やお子さんに伝えていただきたいと思います。
今回の記事を通して、銀杏に興味を持って頂けたら嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。